j0618の日記

自分が読んだ本のまとめ

道徳形而上学言論 (カント)

・まずカントについて、啓蒙思想の哲学者で経験主義(デカルトスピノザなど)と合理主義(ロック、バークリー、ヒュームなど)を合わせた考えの持ち主。

・この本では、道徳とは何か? 嘘つきより正直な人間の方が、強欲より清廉な人間、残酷より、慈悲深い人間の方が道徳的なのはなぜかなのかを追求した。

・道徳行為は、主観的な傾向によらず、道徳律の命ずる、要請によってなされなければならない。自らの感情や意思を超越して行われる行為こそ、道徳的価値がある。要は行動の結果ではなく、心構えということ。

・道徳形而上学とは、人間学、神学、自然学、あるいは超自然学は交えない。形式的な物を扱い、倫理学、実質的な物を扱う自然の形而上学と道徳の形而上学を合わせたもの。 個人の意志が道徳的法則に従う事で、人間が手段ではなく、目的自体となる。

・カントの哲学の考えは、すべての人が承認するような哲学の体系は具体的に存在しない。従って哲学は学習するものではなく、私達はただ哲学的に考える事だけを学び得るのである。

・カントの神についての考え 神は存在しないのではなく、神の証明する事が不可能とし、経験主義と合理主義の2つの言い分をえている。カントはこうした究極の問いには個人の信仰にまかせるべきだとのべ、カント自身は、神の存在は人間の道徳に欠かせないと考えた。

・カントは道徳律を、「定言的名法」と「仮言的名法」に分け、定言的名法については、自分が得するために、人を利用してはいけない。仮言的名法については、定言的名法の逆。カントは、道徳律について良心と一緒で、良心は証明できないから、道徳律も証明できないと考えている。