j0618の日記

自分が読んだ本のまとめ

日本経済の歴史

・第1部 経済社会の勃興(古代〜中世)を対象
・第1部の時期は、社会全体の経済システムとして支配権力が強権的に微収した納品の循環が中心の時代。
武家政権の財政は、計画性に欠け必要に応じて資金調達を行う場当たり的な方式であったため、贈与依存型財政となった。贈与経済の発達は、信用経済の過剰な発達を招き、実体経済との剥離が進み新たな富を蓄積した在地勢力が台頭し、運と実力によって、下位の者が上位の者を凌ぐ下克上の時代が15世紀後期に到来し、この時代が戦国時代。
・経済の展開に重要な社会的分業の視点からは、16世紀末〜17世紀初頭に行われた、身分制形成のプロセスが重要と考えられる。幕藩権力は多様な業種が混雑していた村落から、専業者としての武士、職人、商人を排出し、彼らを都市に集住させ、身分を確定し、農業を中心として多様な兼業を行うものを村落に止め、「百姓」身分として把握した。
・第2部 (近世〜近代)
明治政府が1889年に大日本帝国憲法を発布し、90年に帝国議会を招集することで近代国家の枠組みが完成し、90年に民法、93年に商法が制定され、19世紀末に国際的にも認知される。
・第3部 (近代〜現代)
・1917年のロシア革命は、政治的にも経済的にも日本経済に影響を与えた考えられ、政治と経済の民主化に国家が一定の理解を示す契機となる。第二次世界大戦の敗戦により、新たに日本国憲法が制定され、その後の政治と経済の運営に大きな影響を与えた。
・1970年代以降、金融・証券の自由化が進み、日本企業が海外からより低コストで、資金調達できる可能性が広がった。また、日本経済の規模の拡大と成長を見て、海外から日本に対する投資意欲が増大した。東京がニューヨーク、ロンドンと並ぶ第三の国際金融センターとなる期待がもたれたが、東京の国際金融センターとしての地位は「バブル」崩壊とともに低迷した。
・21世紀に向けての論点 近年のアジア諸国の急速な経済成長を踏まえて、従来の西欧中心の経済発展史観の見直しが進む中、世界全体をそのものとして対象とする、新しい歴史像を目指すグローバルヒストリー論がが大事。